多様性の尊重という視点から年中行事について触れておきたい。他の文化を背景にもつ子どもや保護者の思いにまで至らず、例年のとおり、年中行事を実施する幼稚園や保育園が日本には多い。たとえば、キリスト教系でもないのに、クリスマスツリーを飾ったり、サンタクロースに扮した一人がプレゼントを配ったりすること、ひな人形、こどもの日のこいのぼり、七夕祭り、七五三で神社にお詣りすることなどが、もしかすれば問題であるかもしれない、とクリティカルに考える感性を保育に携わる人にはもってほしい。信仰心や歴史的経緯から、そのような日本文化を強制されるのに抵抗がある保護者や子どももいるかもしれない。このことに気づいたうえで、子どもたちの最善の利益は何かということを基盤に、子どもたちの健やかな発達支援のためにどのような形態をとったらよいか、保育士、保護者をけじめ子どもに関わる人々が、対等な立場で十分話し合う必要があるだろう。多文化に生きる子どもたちの保育の揚が、さまざまな背景をもつ人々と気持ちよく過ごす場となるよう、固定観念にとらわれることなく、自由な発想で、ものごとをありのまま、まっすぐ見る目、従来実施してきたことを無批判に踏襲するのではなく、もう一度クリティカルに捉え直すことのできる柔軟な感性の涵養が、保育に参加するすべての人に求められよう。
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