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メガキャンベーン「太陽に愛されよう」

シャーベットトーンの成功から五年後に展開された、昭和四一年のサマーキャンペーン「太陽に愛されよう」は、資生堂の広告宣伝の歴史のなかで、エポックメーキングなものの一つである。このキャンペーンの制作に当たり資生堂は初めて海外ロケを行い、ハワイを舞台に宣伝が展開された。紺碧の空、透き通るような青い海、地平線の彼方にぽっかりと浮かんだ白い雲、モデルは前田美波里、健康美溢れる小麦色に日焼けした肉体が、太陽の光にさん然と輝き、高度成長のレジャーブームを象徴するとともに、女性に対するそれまでの日本的な美しさの観念を大きく変化させた。また、それまでの白い肌に対する価値観が変化し、夏は健康的に日焼けした女性に対する意識が市民権を得たのもこのキャンペーンが契機となった。宣伝広告のスタイルもこのキャンペーンをきっかけとして従来のイラスト中心からリアリティー溢れる写真重視の内容に変化した。ハワイのダイナミックな映像と、前田美波里の健康美がマッチし、レジャーブームの幕開けと相まって大ヒットを収め、サマー化粧品の売上増に多大な貢献を果たした。街頭や電車内、チェインストアの店頭に掲出されたポスターが剥がされてとられていく珍現象が起こり、若者の間にポスターブームのきっかけをつくったのもこのキャンペーンである。この後のキャンペーン制作は、海外ロケに限らず撮影場面の選択を重要視するとともに、モデルのキャラクターと存在感を生かすことにウエイトを置くようになるが、その意味でもキャンペーン制作上重要なターニングポイントとなった年である。
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