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服の正装に付く紋の入れ方

結婚式や披露宴で着る留袖のような和服の正装につけられる家紋。もとは、平安末期に、貴族が各家特有の紋織物できものをつくっていたのがはじまりだ。それが、武家の時代に、家紋を背と袖と胸に大きくつけるようになり、さらに紋が小さくなって、町人にも普及したのである。きものにつける紋の数は、五つか三つか一つ。いちばん正式なのは五つ紋で、背と両袖の後ろと両胸につける。略式の三つ紋は背と両袖に紋をつけ、一つ紋は背中だけにつける。紋は、手法によってもいくつかの種類がある。染めるときに紋を染め抜いたものを「表紋」または「ひなた紋」といい、紋の形を線描きしたものを「陰紋」という。また、紋を縫いつけたものを「縫い紋」という。かつて、嫁入りのときには、花嫁は、実家の紋の入ったきものを何枚も持参するのが習わしだった。実家では、娘に実家の紋入りのきものをたくさん持たせて、婚家での娘の立場を支援したのである。現代では、はじめから婚家の紋入りのきものを持っていったり、どちらの家の紋でもない新しい紋をつくったりする人も多い。フォーマルウェアとしてのルールは、五つ紋が第一礼装になる。女性の黒留袖や色留袖、喪服と、男性の着物や羽織に使われるもので、女性は五分(一.五センチ)紋、男性は一寸(三センチ)紋で表紋に限られる。三つ紋は略礼装になり、色留袖や色無地に女性が用いたり、男性は羽織につけたりすることが多い。一つ紋は背中だけにつけ、女性の色無地や訪問着のほか、羽織に縫い紋でつくこともある。「加賀紋」と呼ばれる多色づかいの刺繍紋がそのいい例だが、これは縫い紋とはいえ、おしゃれ着の感覚が強くなる。