煮え切らない態度をとる理由は、快楽原則に固執するところにある。現実能力はもっているが、快楽を失いたくない。楽をしたい気持ちは誰にでもある。しかし、結婚してしまったら享受できる楽がたちどころに半分は減ってしまう、という現実を変えることはできない。たとえば独身時代には、自分の収入を服につぎ込もうと、海外旅行をしようと、誰も文句をいわないが、結婚した瞬間からその快楽は半減する。何よりもまず人生を楽しみたい、楽をしたいと考える人間は、いざ結婚という段になって損をするような気持ちにとらわれるのだろう。その結果、煮え切らない態度をとることになる。この傾向は、子どもの頃からわがままいっぱいに育てられて、快楽志向が強くなった人に多い。第三の理由は、何事につけ「ねばならない」が多いことにある。私は父より大事な人をつくって、父を悲しませてはならない。自分は母を捨てて、ほかの女性を選ぶべきではない。自分は長男だから、親の気に入る人と結婚しなければならない。そういう人は親の反対を押し切ってまで結婚しようと決断することができない。ほんのささいなことにもためらい、煮え切らない態度に逃げるのである。このタイプは、母定着、父定着の人、平たくいえば、親べったりの人間に多い。